DAX FORMAT関数で柔軟な日付階層を作る|IT小技12

柔軟な日付階層を作って課題解決
目次

この記事で分かること

標準の日付階層は便利ですが、「月が英語表記で見づらい」「グラフに使うとスペースを取りすぎる」「ドリルダウンが崩れる」など、惜しい点がいくつもあります。

似た悩みを持つ方も多いため、今回の記事では FORMAT関数で独自の日付階層を作って課題を解決する方法 を紹介します。

Power BI の日付周りで「もう少し柔軟にしたい…」と感じている方にとって、すぐ使える実践例になります。

標準の日付階層とは、Power BI が日付列を自動で生成する階層です。

使用例ですが、時系列グラフの横軸に配置すれば、年⇒月 といった階層で表示されます。

標準の日付階層を使った、時系列グラフの例

ただしこの階層は 日本語ユーザーやPowerBIのビジュアルと相性が悪い場面がある ため、次の章で詳しく課題を見ていきます。

課題|DAX FORMAT関数で解消したい標準日付階層の困りごと

以下の関連記事で使ったグラフを例に、課題を説明します。

標準の日付階層の課題は次の3つです。

  1. 月度が英語表記で分かりづらい
  2. 横軸の階層が2段になるため、グラフが小さくなる
  3. ドリルダウンが崩れるケースがある
今回の課題を列記した時系列グラフ

ドリルダウンとは?

今回のグラフでは、年 → 月 → 日 へと細かく掘り下げる操作を ドリルダウン と呼びます。
逆方向はドリルアップです。

Power BI の操作手順は次のとおりです。

  1. マウスカーソルをグラフに当てる
  2. 上部に表示される下矢印(↓)をクリックしてドリルダウンを有効化する
  3. 有効化後、上矢印(↑)でドリルアップ、二重下矢印(↓↓)でドリルダウンとなります

ドリルダウン崩れとは?

一度ドリルアップした後に再びドリルダウンすると、下図のように元の階層に戻らない現象 を指します。

ドリルダウン崩れが起きた時系列グラフ

標準の日付階層を使う限り、この現象を避けられない場合があります。

そこで次章のように FORMAT関数で独自階層を作る 方法が効果的です。

答え|DAX FORMAT関数で独自の日付階層を作る

ここでは標準の日付階層の課題を、FORMAT関数を使った独自階層で解決します。

改善ポイントは以下のとおりです。

  • 月度を英語表記から「01~12」の数字表記へ変更
  • 横軸は「yy/mm」形式にまとめて、階層の段数を削減
  • 独自の文字列階層なのでドリルダウン崩れが起こらない

表記は FORMAT の書式を変えるだけで自由に調整できます。今回は一例です。

手順1:3つの列(DAX)を追加する

str年月日yy = FORMAT([年月日],”yy”)
str年月日ym = FORMAT([年月日],”yy/mm”)
str年月日ymd = FORMAT([年月日],”yy/mm/dd”)

手順2:階層を作成する

これら3列を Power BI の「階層」にまとめます。

手順3:グラフに配置する

横軸に作成した階層を配置すれば、下図のようなスッキリした時系列軸になります。

今回の改善点を盛り込んだ時系列グラフ

必要な見た目になりつつ、ドリルダウンも破綻しません。

年月が昇順に並ばない場合は、
右上「…」 →「軸の並べ替え」→「昇順で並べ替え」
を選択してください。

解説|FORMAT関数と階層設計のポイント

ここでは、上記の式や設計がどのように機能しているかを整理します。

  • FORMAT関数とは?
     日付や数値を指定した文字列形式に変換する関数です。
     文字列化することで、表示の自由度が上がる のが最大のメリットです。
  • yy/mm形式が使いやすい理由
     年と月を2桁でそろえることで、文字列でも正しい並び順が維持されます
     例:24/01 → 24/02 → 24/03 のように自然に昇順になります。
  • 階層を文字列にするメリット
     標準の日付階層と異なり、Power BI が自動解釈しないため、ドリルダウン崩れが発生しにくい構造 になります。
  • 実務で応用できる拡張例
     ・会計年度にしたい場合 → “yyyy” & “年度”
     ・月名を短縮したい場合 → “yyyy/MM (MMM)”
     ・週番号階層を追加 → “yyyy/ww”

FORMAT関数をマスターすると、実務に必要な日付表記を自在に設計できる ようになります。

まとめ

この記事では、標準の日付階層の課題を DAX FORMAT関数を使った独自階層の作成 により解決する方法を紹介しました。

ポイントは以下の3つです。

  • 月度の英語表記を 数字表記に統一 できる
  • 横軸を 「yy/mm」形式にまとめ、見やすさを向上 できる
  • 階層を文字列化することで ドリルダウン崩れを回避 できる

Power BI の日付表現で悩んだときに、ぜひ役立ててください。(終わり)

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この記事を書いた人

“ねこまご”は、猫の癒しと“孫の手”の実務サポートを合わせた造語です。
Power BI と IT 業務の“こまごま解決”に特化した、実務者向けブログを運営しています。

社内SEを約10年経験した後、2025年にブログ開設しました。
日々の現場で発生する"細かなIT課題"に向き合ってきた中で、
「専門用語なしで理解したい」
「実務でどう使うかを知りたい」
「時間がない中でも効率よく学びたい」
というニーズを強く感じてきました。

私自身、家事・育児・家族サービス・仕事の合間で学び続けている生活者です。限られた時間の中でスキルを磨いていく大変さや、思うように勉強が進まないもどかしさもよく分かります。

だからこそ、このブログでは、
1) Power BI などのITツールのTips(IT小技シリーズ)
2) 初心者でも挫折しないPower BI講座
3) リアルなブログ運営記録(将来的に配信予定)
を、できるだけシンプルに、すぐ実務で使える形にして発信しています。

難しい専門用語を避け、「すぐ役立つITスキル」を届けることを大切にしています。

ITは一気に習得するより、小さな疑問をひとつずつ解消していくことが近道だと考えます。

その“かゆいところに手が届く”存在として、実務力向上やキャリアアップに悩む読者の力になれるブログを目指しています。

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